「扇言葉(おうぎことば)」
6月といえば「梅雨」ですよね。
じめじめとした蒸し暑い季節がやってきます。
憂鬱です。中島俊夫です。
さて、最近は電車の中でも「扇子」でパタパタと扇いでいる人の姿を
見かけるようになってきました。
この扇子、どこの国で生まれたか知っていますか?
答えは「日本」です。
平安時代初期に筆記用具として使われていた「木簡(もっかん)」から、
派生して作られた「檜扇(ひおうぎ)」が、その始まりとされています。
(※木簡とは、さまざまなことを記録するために使われた細長い30cmほどの木の板のことです。)
しかしこの扇子、ヨーロッパの貴族社会の貴婦人たちの間では、
扇ぐだけの道具ではなく「扇言葉」といって、扇を使った動作で、
相手に気持ちを伝えるコミュニケーションの道具として使われていたそうです。
例えば…
開いた扇で目を隠す⇒「あなたが好きです。」
大きく開いた扇をゆっくり閉める⇒「私は、あなたと結婚すると約束します。」
扇を閉じたまま右に頬にあてる⇒「はい。」
扇を閉じたまま左の頬にあてる⇒「いいえ。」
扇の先端に指を触れる⇒「私は、あなたと話したい。」
扇を閉じたまま左の耳にあてる⇒「しつこいです(迷惑です)。」
…など、このほかにも色々な扇言葉が存在します。
この扇言葉は、今の携帯電話のメールのような仲間内の
「伝言遊び」的なものだったようです。
ただ、実際は手旗信号のような高度な困難さを伴うものでした。
当時の貴婦人たちは、このもどかしさと洗練、
そして熟練とが必要であるからこそ、大人の「伝言遊び」に
夢中になったのではないでしょうか。
このコラムをご覧になっているみなさん、
くれぐれも仕事中や授業中は、この扇言葉は控えめになさってください(笑)
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